coLinuxセットアップ手順書

この記事ではcoLinux-0.7.3をWindowsXP(要管理者権限)へインストールした際の設定方法を記載した備忘録です。

coLinuxの特徴

coLinuxWindows上でLinuxを動作させることができます。VMwareは仮想化が主目的でしたがcoLinuxは別のOSと一緒に動作するように手が加えられたlinuxカーネルですのでVMwareに比べて動作が高速です。

  • 必要最低限のハードウェアだけ仮想化しているので速い
  • Windowsサービスとしてバックグランドで動作させられる
インストール前の準備

ここではcoLinux-0.7.3.exe+Fedora-10-20090228.exeを使用します。それぞれ次のサイトからダウンロードをしておいて下さい。
http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=98788

coLinux本体をインストール

インストールの手順は大まかに分けると次の手順で行います。

なお、Windowsの設定の最中はcoLinuxを起動したままにしておくことや、途中で上手く動作しない場合がありましたらcoLinuxの再起動を行うと
上手くいくかもしれません。

はじめてcoLinuxを利用する場合はcoLinuxWindowsの間でpingが通らないなど思ったよりてこずるかもしれませんがやってやれないことはないので根気よく設定の見直しを行って見てください。

ではcoLinux-0.7.3.exeを実行してください。

①Welcome to the coLinux 0.7.3 Setup Wizard
インストーラが起動した直後にウィザードが立ち上がります。「Next」をクリックしてください。

②Licence Agreement
同意文を読み終えたら「I Agree(同意します)」をクリックしてください。

③choose Components
コンポーネント選択画面が表示され、以下の2項目が選択できる状態になっていると思います。

  • coLinux
  • Root FileSystem Image Download

ここで「Root FileSystem Image Download」のチェックをはずしておいて下さい。すでに「最新の」FileSystemImage(Fedora10)はダウンロードしていると思いますし、わざわざここから「最新ではない」FileSystemImageをダウンロードする必要はありません。

coLinuxのみチェックがついているのを確認したら「Next」をクリックしてください。

④Choose Install Location
coLinuxをインストールする場所を指定して下さい。通常はC:\Program Files\coLinuxへインストールすると思います。

インストールする場所を指定したら「Next」をクリックしてください。

⑤Get WinPCAP
The Windows Packet Capture Library というものが必要ですよ。なかったらインストールしてくださいね、とのことです。たぶん。

とりあえずここでは「Next」を押してください。

⑥Installing
coLinux本体のインストールが開始します。
おそらくTAP-Win32 Adapter V8(coLinux)を使用するためにインストールしようとしているソフトウェアは〜という警告画面が表示されると思いますが、私は「Windowsロゴテストに合格してないだけだろう」と判断し、ここで「続行」をクリックしました。

⑦Installation Complete
インストール完了です。「Next」をクリックしてください。

⑧Completing the Cooperative Linux 0.7.3 Setup Wizard
「Finish」をクリックしてください。

Root File System Image をインストール

Fedora-10-20090228.exe を実行すると、解凍先となるディレクトリを指定する画面が表示されます。先ほどのcoLinuxをインストールしたC:\Program Files\coLinuxを指定して、「Install」をクリックしてください。

解凍が終了したらウィザードを閉じてください。※もしくは自動的に閉じます。

coLinuxの設定ファイルを記述します。

c:\Program Files\coLinux\example.confをコピーしてc:\Program Files\coLinux\fedora10.confを作成します。※ファイル名はなんでも構いませんがここではfedora10.confと名付けました。

それではfedora10.confを以下のように変更してください。

kernel=vmlinux
cobd0="C:\Program Files\coLinux\Fedora-10.img"
cobd1="C:\Program Files\coLinux\swap_device"
root=/dev/cobd0
ro
initrd=initrd.gz
mem=128
eth0=tuntap

ファイルの最後には必ず改行を入れて下さい。

memは2GBのメモリを搭載しているなど余裕があるのであればmem=256と変更しても構いませんので自分の好きな値を入れてください。

coLinuxを起動します。

coLinuxコマンドプロンプトをから起動します。

cd "c:\Program Files\coLinux"
colinux-daemon.exe @fedora10.conf

設定ファイルに間違いがなければCooperative Linux console が立ち上がり、ログイン画面が表示されると思います。ログインが画面が表示されたら「root」と入力してEnterを押してください。

coLinuxの設定変更

上記の作業でcoLinuxが起動しましたが、Cooperative Linux console でしかまだ操作ができません。

続いてcoLinuxの設定を行います。ここでの注意点ですがCooperative Linux consoleはキーボードが英字配列です。以下の文字を入力する際は下記を参考にして下さい。

インサートモードを抜ける時は「Ctrl+@」
「=」をうつときは「^」
「:」をうつときは「Shift + ;」
「_」をうつときは「Shift + -」
「"」をうつときは「Shift + *」

それでは以下の設定を変更します。

  • IPアドレスの設定
  • ネットワーク通信の基本情報を設定(ホスト名など)
  • 日本語対応
  • DNSサーバの情報

変更するファイルは次のとおりです。

  • /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
  • /etc/sysconfig/network
  • /etc/sysconfig/i18n
  • /etc/resolv.conf

IPアドレスの設定

vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0

DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
TYPE=Ethernet
IPADDR=192.168.0.2
NETMASK=255.255.255.0
GATEWAY=192.168.0.1

②ホスト名の設定

vi /etc/sysconfig/network

NETWORKING=yes
HOSTNAME=colinux

③日本語対応の設定

vi /etc/sysconfig/i18n

LANG="ja_JP.UTF-8"

DNSの設定

vi /etc/resolv.conf
nameserver 192.168.0.1
coLinuxの再起動
/sbin/shutdown -h now

再度コマントプロンプトで

cd "c:\Program Files\coLinux"
colinux-daemon.exe @fedora7.conf

※/sbin/reboot ではなく、コマンドプロンプトから再起動のほうがいいかも?

Windowsのネットワーク設定(coLinuxを起動したまま)

Windowsのアドレス設定
「コントロールパネル」から「ネットワーク接続」を開くと
「TAP-Win32 Adapter」と記述されたアイコンがある。

coLinux-0.7.3.exeを実行時にインストールされている。

右クリックをして「プロパティ」ボタンを押す。
IPアドレスの設定画面になるので

IP:192.168.0.1
サブネット:255.255.255.0

とします。

NATの設定
「ネットワーク接続」の中から、LAN、もしくはWANにつなげているインターフェイス
ワイヤレスならワイヤレスネットワーク接続を選択してプロパティを表示させる。

「詳細設定」タブの「インターネット接続の共有」欄の
「ネットワークのほかのユーザに、このコンピュータのインターネット接続をとおしての接続を許可する」
にチェックを入れる。

※「ホームネットワーク接続」という選択欄が表示された場合は(表示されない場合もある)TAP-Win32に相当する
インターフェイスを選択する。

OKを押して警告ダイアログがでても「はい」を選択する。

coLinux -> Windows への接続テスト
coLinux(192.168.0.2)からWindowsのTAPWin32(192.168.0.1)へPing
ping 192.168.0.1


※応答がない場合は設定を見直すこと

coLinux -> インターネット への接続テスト
ping yahoo.co.jp

お疲れさまでした。
次回はPuttySSHアクセスする方法を解説します。